ナラタージュ(島本理生)

ナラタージュ

ナラタージュ

 
 夜にひとりで静かに読みふけって、物語の中にひたりたい感じ。報われないと知っていても、傷つけたくない人を傷つけるとわかっても、どうしても切り捨てることのできなかった気持ち。それが細やかに描かれたひとつひとつのエピソードを通して痛いくらいに伝わってきます。読みながらちょっとだけ泣きました。

 あと、ちょっとびっくりしたこと。本文P56より引用。

「厳密に言うと吹奏楽ブラスバンドは違うものなんだよ。ブラスバンドは本来、吹奏楽っていう意味じゃないんだ。本物のブラスバンドはたしかクラリネットすら含まないはずだったから」

 ・・・そうなの!?