草野たき 『透きとおった糸をのばして』 講談社文庫

透きとおった糸をのばして (講談社文庫)

透きとおった糸をのばして (講談社文庫)

 中学二年生の香緒は、いとこで大学院生の知里と二人暮し。そこへ、知里の友達だという、るう子が転がりこんできます。
 香緒の悩みは、親友ちなみの好きな人・梨本くんが自分を好きになってしまったという三角関係のことなのですが……。女の子同士の関係性と、主人公の内面の自立を描くことに重きを置いているため、梨本くんがとってもかわいそうな扱いだった気がします。

 るう子ちゃんは言ってることも、やってることもめちゃめちゃだ。
 でも、めちゃめちゃにならずに、きれいに生きてく方法なんて、あるのかなと思った。(P.155)

イギリス児童文学入門

 前回、前半を観たところで時間が来てしまった、映画「ジェニーの肖像」の続きを観ました。
 ここのところこの授業ではタイム・ファンタジーを取り扱っていて、今日は萩尾望都「マリーン」が一例として取り上げられたのだけれど……漫画なら、紺野キタ「残夏」(『Cotton』収録)も時間ものだと言えそうだなあ、と考えました(ちょうどこの漫画が手元にあったのだ)(ぽっぽちゃんに貸していたのを返してもらったから)