似ている部品

 革靴。「学生鞄だけじゃ入りきらないからみんな使っている」補助バッグ。スクエア・ネックのジャンパースカート。東京の私立の女子校が舞台のこの小説には、今の自分の生活と似ている部品が多いのでした。わたしが住んでいるような地方とでは、だいぶ環境が違うのでしょうが、それでも作品の中に漂っている「女子校」の空気には身近なものを感じました。

だって、もしなにかをわかるのに子供すぎるのなら、いつかわかるときがくる。でも、なにかをわかるのに年をとりすぎているのだったら、その人はもう、永遠にそれがわからないのだ。これはとてもかなしいことだ。とてもとてもかなしい。(P.144)