東京日記 卵一個ぶんのお祝い。(川上弘美)/平凡社
- 作者: 川上弘美,門馬則雄
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/09/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (153件) を見る
四月某日 晴
電車に乗る。暖かな日。暑いくらいだ。
おかっぱの女の子が二人、乗りこんでくる。顔も服装もそっくりの二人である。ふともも丈のミニスカート、グレーのセーター、黒いハイソックスにトートバッグ。どれもそっくり同じものだ。
よく見ると、片方の女の子の方がいくらか年上である。皺が、口の端や目のあたりに、少しある。しばらく二人でくっつきあってぺちゃくちゃお喋りをしていたが、やがて若い方の子が、「ママー、あたし、おなかすいちゃったなー」と言ったので、仰天する。
淡々。ほのぼの。これぞ日記だなあ、という感じで、いかにも川上弘美さんだなあ、という味わいでした。