今まで読んだ中で一番怖かった。

 今まで読んだ中で、文句なしに一番怖かったと言える物語があります。川島誠さんの『電話がなっている』という短編です。

  • 1985年 国土社『電話がなっている』に収録(現在絶版) 
  • 1998年 『児童文学の魅力―いま読む100冊 日本編』にて紹介される
  • 1990年 偕成社『だれかを好きになった日に読む本』収録
  • 2003年 角川文庫『セカンド・ショット』収録
  • 2005年 ポプラ社『地球最後の日 SFセレクション』収録
  • 2005年 金原瑞人『12歳からの読書案内』にて紹介される


 知っている限りで、この作品の年表(?)を作ってみました。国土社『電話がなっている』は小学校高学年向けで、『だれかを好きになった日に読む本』は小学校中学年以上向けとの扱いですが、とてもそんな作品だとは思えません。「児童文学」という言葉からイメージされる健全さとはかけ離れているにもほどがある内容です。重いです。怖いです。


 どこらへんがどう怖かったとか書くとネタバレになってしまうので書けませんがとにかく怖くて怖くて、だいたい手元にある本は3、4回再読しているわたしですが、この話が収録されている『セカンド・ショット』だけは初読以来開いてもいません。「トラウマ本」ってやつです(『セカンド・ショット』は、『電話がなっている』以外の収録作も、生理的嫌悪感を抱いてしまったり怖かったりするものばかりだったのだ、わたしにとって…)。


 …あ、そう考えると『セカンド・ショット』はわたしにとって「劇薬小説」だったんだなあ…Dainさんは既読でしょうか。