2006-02-12 ■ ことのは 「ひとが不愉快になることは言わないのが、社会の常識でしょう」 「社会じゃないもん、学校だろ」 「学校だって社会です」 「ちがうよ」 断言するので、私はびっくりした。 「ちがうはずないじゃない。人が集まれば社会になるのよ。どんなところでも」 「おんなじだったら、学校に通う意味がないだろ。本音を言わなきゃ。おれたちが学生でなくなって、本音を言ったらたたきつぶされる場所へ行く前に」 荻原規子『樹上のゆりかご』(理論社)本文P.166