12歳からの読書案内

12歳からの読書案内

『12歳からの読書案内』内の、荻原規子西の善き魔女』の紹介文について。

 乙女チックな会話や雰囲気に反して、設定やストーリー展開は、意外と(失礼)骨太。


 かちん。



 執筆者の方にそんなつもりはなかっただろうと思うのですが、これを読んだ瞬間、わたしは本気で「『意外と』なんて、失礼なっ!!」と怒ってしまった。
 紹介文が、全体的に「乙女チックな会話や雰囲気」にスポットを当てているような印象だったのもいやだった。

 ここでの夢見る乙女とは、たぶん荻原規子さんがエッセイの中で「読む女の子」と呼んでいる女の子たちのことを指すのだと思う。(参照:http://homepage1.nifty.com/goodwitch24/page03.htm#yomuonnanoko
 『西の善き魔女』は、「女の子の夢を叶えてくれる」…id:mitsubeさんの言葉を借りれば「夢見る乙女の妄想全開小説」の要素があるのは確かだ。けれど、夢見る乙女たちはけっこうシビアで鋭いのだ。物語の深みをしっかりと感じ取ることができる。表面的なものが乙女チックなだけでは、たぶん、本気でのめりこんだりしない。しっかりと作りこまれた骨太な設定やストーリー展開があるからこそ、登場人物たちや、詰めこまれたある種の女の子たちならくらっときてしまうエッセンスも、より魅力的なものになっていて…だからこそ、「読む女の子たち」に荻原さんの作品は愛されているのだと思う。

 それなのに、「意外と」なんて、紹介文の中で言ってほしくなかったのだ。


 …えらそうな書き方になってしまいました。わたしはこう思ったけれど、わたしのこの見方がどれだけ的を射ているのか、まったく自信がありません(さんざん書いといて何それ)。でも、一ファンが思ったこととして、どうしても書いておきたかったんです。