一夢庵風流記(隆慶一郎)/新潮文庫

一夢庵風流記 (新潮文庫)

一夢庵風流記 (新潮文庫)

 おもしろかったー。
 …えっと、ハラハラドキドキこの先どうなる、ってな感じのおもしろさとはちょっと違うのです。主人公の前田慶次郎は運も味方につけている最強の「いくさ人」だということが読んでいるうちにすぐわかるので、危機が訪れる場面でも、やすやすと切り抜けるだろうとなんとなく予想できちゃうのです。だからハラハラするような緊張感はないけれど、慶次郎の生き方のすがすがしさにつりこまれて、最後までおもしろく読めたのでした。