ブランコの話

 いしいしんじさんの『ぶらんこ乗り』を読んだ時思い出したこと。

 わたしは、ブランコからずり落ちてひざをすりむき、その事態を把握できず、座りこんだ姿勢でぼけっとしていたために、まだ振り子状態にあったブランコの台がちょうど後頭部に衝突するという二次災害に遭うような小学生で。
 他の子が勢いよく高く高くぶらんこをこぐのを見るだけで、怖くて仕方なくてはらはらする、というような臆病な子どもだったのですが…同時にちょっぴり、そういう風に思い切りブランコをこぐことができる子に憧れていた気がします。

 弟がブランコをこぐシーンで、そういう、小学生の時に引き戻された気がしたのでした。