納得いかないです
- 作者: 荻原規子,佐竹美保
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1999/09/01
- メディア: 新書
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これは、元々、佐竹美保さんのイラストだったんですね。
わたしはこっちの方が好きだった……。
『かぎ』で中学生だったひろみの高校時代の物語、『樹上のゆりかご』がノベルス化されたのに合わせて、『樹上』のイラストを担当した香坂ゆうさんが手がけた『かぎ』の新装版が出た…ということのようなのですが。
香坂ゆうさんのイラストは、「主人公が目を引く容姿でない普通の女の子であるからこその物語」である『樹上』には合わない、と納得いかない思いを抱き続けていたので、それに『かぎ』のイラストまで合わせられたとなると……今、「きらいな出版社はどこですか」と訊かれたら「中央公論新社」と答えてしまいそうです。うむ。
『これは王国のかぎ』単体で見れば、ひろみの髪がイメージ通り短いせいか、『樹上のゆりかご』ほどの違和感はないのですが。
むしろ『樹上』のイラストを佐竹美保さんで新装版にして欲しい。人物の顔とか見えない遠い後姿のイラストとかだったらなおいい。とか無茶なことを考えてしまいました。
文章とイラストがあいまって、魅力が増す物語だって存在するけれど……。荻原さんの場合は、読者それぞれに映像を思い起こさせる力が強い文章だから、人物の顔などがはっきりしているイラストはかえって邪魔な気がしてしまうんですね。
その意味で、わたしは、「勾玉三部作」ハードカバーの装丁がいちばん好きだったなあ…。
……ここで長々と書いたことすべては、「勾玉三部作」ハードカバーが初めて読んだ荻原作品で、そこからファンになったが故の妄言なんじゃないかと思いつつ、アップしちゃいます。