穂村弘 『本当はちがうんだ日記』 集英社

本当はちがうんだ日記

本当はちがうんだ日記

布団の中で自分に都合のいい夢をいつまでも反芻することはできるのだが、そのための現実的な努力は苦手なのだ。(P.42)

 さまざまな雑誌に掲載されたエッセイが収録されています。全部が全部、自身のダメっぷりについて書かれたものではないのですが、通読した印象は「ダメ人間全開」です。共感できる箇所もいくつかありました。あ、こういうマイナス思考回路にはまったことあるな、とか。こういう感覚はわかるな、とか。でも、わたしは、夜中に半分眠ったままで何かを食べたくはないなあ……。あと、ポケットの中にチョコやクッキーの破片が散乱してるのは耐えられないなあ……。
 読後、生きているのが申し訳ないと思うくらいに、自分の駄目さに辟易することがあっても、どうにかこうにか生きていけるのかもしれないなあ、という気持ちになりました。