上橋菜穂子 『精霊の木』 偕成社

精霊の木

精霊の木

 上橋菜穂子さんのデビュー作。著作の中では唯一のSF……でしょうか。他はファンタジー……ですよね(自信なさげな物言い)。元々、この作品は1989年に刊行されたもののようですが、わたしが読んだのは2004年に出た新版です。新版あとがきによると、上橋さんは、「現在のわたしの考え方にあわせて書きなおすべきではないか」と悩んだ末に、どうしても気にかかる用語の改変などの他は、手を加えなかったそうです。
 これで、上橋菜穂子さんの著作は全部読んだことになると思います。……あ、『隣のアボリジニ』とか、小説以外のものは未読だけれど。
 どの作品にも、共通のメッセージがしっかり根づいているのが感じられます。中学生のときに図書室にあった『精霊の守り人』『闇の守り人』にずっぽりはまって以来、すぐに全部読んでしまうのがもったいなくて、ちょっとずつ追いかけていったのでした。『精霊の木』を読んで、改めて、上橋菜穂子さん大好きだー、と思いました。


 『精霊の守り人』『闇の守り人』の軽装版が今月出るみたいだし、守り人シリーズ完結編の『天と地の守り人』(全三巻の予定)の第一巻も来月出るようですね。来月はさらに、講談社からも新刊が出るそうで。嬉しいな。