赤木かん子編 『暗号と名探偵』 ポプラ社

暗号と名探偵 (Little Selectionsあなたのための小さな物語)

暗号と名探偵 (Little Selectionsあなたのための小さな物語)

( 収録作 )

  1. コナン・ドイル 阿部知二訳 『踊る人形の謎』
  2. エドガー・アラン・ポー 金原瑞人訳 『黄金虫』
  3. 戸川安宣 『暗号とミステリ』

 最後の一編には江戸川乱歩『大金塊』を入れたかったのだけれど、長さの問題で無理なので、どうしようかと思ったときに「そうだ、ここは戸川安宣さんに暗号について解説してもらおう!」とひらめいて、こういうラインナップになったらしいです(あとがきなどによると)。

 『暗号とミステリ』は、ネタバレをしないように、とものすごく配慮されていたように感じられました。あと本筋と関係ないですが、「閑話休題」に「よしなしごとはさておき」とふりがながつけられていて、なんだかときめきました(笑)。そうしてあるの初めて見ました。……わ、わたしが知らないだけで、よくあることだったりする、かなあ……


 赤木かん子さんが編者のこのシリーズ、まだ2冊しか読んでないのですが、「何でもあり」な印象です。「あなたのための小さな物語」と題されているけれど、小説だけではなく、エッセイや解説も入っているし、漫画が収録されている巻もあるので。

 「編者から皆様へ」を読んで、読書経験が浅い人も本好きな人も楽しめるように、というのもこのシリーズのコンセプトなのかな、と思いました。

切れ味のいい中・短編は、読み慣れていない人でも読み切る「ことができ、一生忘れられないほど強く、その人の魂をゆさぶる力も持っているものです。おもしろくて読みやすくてわかりやすい、そうして基本的で深い作品を選んだつもりですがいかがでしょうか。(中略)若い人達に向けて編んだ短編集ですが、大人の方にもお読みいただければ幸いです。