米澤穂信 『クドリャフカの順番』 角川書店

クドリャフカの順番―「十文字」事件

クドリャフカの順番―「十文字」事件

 『氷菓』『愚者のエンドロール』はほとんど奉太郎視点で語られていたけれど、『クドリャフカの順番』では彼以外の古典部員たちの視点での物語も読めて、嬉しかったです。


 文化祭のしおりに「箏曲部」も名を連ねている箇所を読んだ瞬間、「わわ、米澤さんありがとうございます……!」と言いたい気持ちになりました(笑)。

 高校時代、箏曲部だったのですけれど。ちょっぴり悲しいことに、「箏曲部」って言っても「それ何?」って言われることが多いのですよー。部費でお買い物して領収書をもらうときも、「箏曲部」って言ってもたいてい「どんな字ですか」って訊かれましたもん(笑)。


 ただ気になったのは、参加団体一言コメントに「和室で演奏会を行います」とあったこと。
 母校の箏曲部も、練習場所は和室だったけれど、箏ってけっこう場所とるので、箏を入れて部員全員(といっても十数人)が座ると和室はいっぱいで、他に人が入る隙間はほとんどなかったんですね(文化祭とかでの演奏は、体育館のステージでやってました)。お客さんを入れられるということは、神山高校の和室がよっぽど広いか、箏曲部員がよっぽど少ないかだなーとか……まったくもって本筋に関わってこないところについて熟考してしまいました。