いみじくここありゆくおぼゆ

 荻原規子『薄紅天女』を、久しぶりに読み返してみました。

 ……『薄紅天女』の、どこに、どういうふうに、どんなにときめいたかを書いてしまうと、ネタバレになるのでひかえますが。「勾玉三部作」は、読むたび語るたび15歳に戻ってしまいますから大変です。


 高校入学前の春休み、購入した古典の教科書を開いてみたら、ちょうどその『更級日記』竹芝伝説の話が載っていて、「『薄紅天女』の下地になったとこが載ってる……!」という、ときめきと喜びのあまり一所懸命現代語訳してしまったことを思い出します(きっと間違いだらけだったことでしょう)。結局授業では取り上げられなかったページだったけれど、訳して悦に入ってたんですね。これぞ自己満足。