映画化のこと

http://www.asmik-ace.co.jp/release/070322.html

 『重力ピエロ』映画化と聞いてこのページにすっ飛んでいったら『西の魔女が死んだ』映画化の報も載っていて、悲しくなりました。

 好きな小説が映画化されると悲しくなるのは、映画の出来の良し悪しは関係なく(いや、どうせ映像化するならばいい作品にしてほしいとは思うけれど)、自分のイメージとの差異も関係ない(これはわりと切り離して眺められる。別物で当たり前だし)です。

 「小説」としておもしろかったり感動したりして、大好きな作品だから、それはどんなに原作に忠実に作られたとしても映像という表現手段をとっただけで別物になるから、その「別物」が世間に出てしまうだけで悲しいのです。

 ……原作が大好きな自分が、映像化された作品を観る分にはいいのだ、既に自分の中にある作品像とは別のものとして観ることができるから。ただ、原作未読で映像を見た人たちの中にはその映像でイメージが固定されちゃうんだろうな、もし原作を読んだとしてもそれが浮かぶんだろうな、と思うと、なんだか悲しい。

 いや、そんな他人事を思って悲しくなるのも変かもしれないですが……わたしは活字を愛するほどには映像を愛せない人間なので、どうしてもそういう気持ちになっちゃうんですね。