有川浩 『塩の街』 電撃文庫

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

 真奈が、自分が「かわいい」と評される存在であることを素直に喜べない心情がきちんと描かれていたのが好みでした。でもいかんせん、文章にいちいちひっかかってしまった……。

「真奈ちゃん」にシフトした。

 ……小説で、会話の中ならともかく地の文でこういうカタカナ語を使われるのはなんだか嫌なのでした……これを始めとして、やたらあるんですよね、「ホールドアップした」とか。

 秋庭は苦虫を百匹ほどまとめて噛み潰した。(P.157)

 「苦虫を噛み潰した」の後に「ような顔」とか「ような表情」といった言葉が続かないのには、すごく違和感を覚えてしまいます。