桜庭一樹 『青年のための読書クラブ』 新潮社

青年のための読書クラブ

青年のための読書クラブ

 ひとつ気になったこと。設立者がフランスの修道女の学校なら、そこにいる修道女は「シスター」じゃなくて「マ・スール」と呼ばれるのではないかと思いました。少なくともわたしが知っている某ミッションスクール(設立母体がフランスの修道女会)ではそうだったなあ。
 そういう学校すべてが「マ・スール」という呼称を採用しているのかどうかはわからないし、そんなのはこの本のおもしろさを損なわない瑣末な部分だけれど、フランス出身の修道女が建てた学校の百年を描くなら、そこにもこだわってほしかったな、と思ったり。フランス語の本を読む少女たちが登場するのに、修道女が「シスター」と呼ばれるのにはちょっと違和感がありました。