恩田陸 『三月は深き紅の淵を』 講談社文庫

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

人間が一生に読める本は微々たるものだし、そのことは本屋に行けばよーく判るでしょう。私はこんなに読めない本があるのか、といつも本屋に行く度に絶望する。読むことのできない天文学的数字の大量の本の中に、自分の知らない面白さに溢れた本がごまんとあると考えると、心中穏やかじゃないですね。(P.61)

 恩田陸の作品を1冊読むたびに、大好きだ〜、と思います。でも、立て続けに読んでしまって全著作を制覇してしまう気になれないのでした。
 読書で冒険したい時、未知のものを知りたい時もあるけれど、自分にしっくり馴染む、自分にとって好ましいとわかっているものを読みたい時もあって……恩田陸作品はそういう時に読むためにとっておいてある、という感じです。自分の中では。