吉本ばなな 『パイナツプリン』 角川文庫

パイナツプリン (角川文庫)

パイナツプリン (角川文庫)

ここに出てくる人々は、みんなずっと昔から「生の本人を見てみたい」と思いつめていた人なので、会えて嬉しかった。TVや雑誌や作品と最も違うのは、そして、会えてよかったとしみじみ実感できるのは、「生の声」を聞いた時だ。本人の生の声は直接聞くといつも予想や知っていたのと少し違う。その違いが「ああ、やっぱりこの人だ」と自分の中でふとなじむ瞬間がいつもあって、すごくいい。だから、やめられない。(P.126-127)