荻原規子さんの新作

 アンダンテ日記(1月1日)によると、新作が出るのは4月か5月、勾玉三部作に連なるファンタジーだけれど、シリーズではなく独立した物語、だとか。
 ・・・タイトルは『風神秘抄(ふうじんひしょう)』だそうです。楽しみですー。この「風神秘抄」って字並びからして好みだ、どうしよう(笑)。
 しかも主人公男の子ですか。笛吹きの少年ですか。そして準主役がカラスですか!?・・・カラス、で『空色勾玉』既読の方は鳥彦を思い出すんじゃないかな。
 「主人公が一貫して男の子なのも、これが初めてです」と仰っていますが・・・荻原作品の男の子キャラ大好きな私としてはうきうき気分になるというものですよー。や、女の子キャラも魅力的で、好きなのだけれど(笑)。

 今まで読んだすべての小説の中で、好きな男性キャラは?と訊かれたら、私は「『白鳥異伝』(荻原規子さん作品)の小倶那!!」と即答しますよ。ええ。荻原規子作品のファンサイトなどを巡ると、勾玉三部作の中で一番ヘタレだとか、情けないとか、もっとしっかりしろよと言いたくなるとか、そういう声が聞こえてくるけど!!それももっともだと思うけれど、どうしてか一番惹かれてしまうキャラなんですよー。いとおしいです・・・。

 荻原規子さんご本人のサイトに掲載されている、「キャラクター・コメント 小倶那(おぐな)の巻」を、引用してみます。

オグナというのは、ヤマトタケルの幼名であり、「古事記」「日本書紀」にもしっかり言及されているため、わたしなりのキャラクターをつくるには、ちょっと苦心をしました。

「白鳥異伝」特有の彼は、気のやさしい男の子です。猛々しく男っぽい面はあまり見られず、わりと煮えきらない男の子かもしれません。だから、多くの場面で、完全に遠子(とおこ)の尻にしかれていると見えますが、それゆえに彼を甘く見ると、じつはちゃんと持っている「男の子」の部分に、いきなり仰天させられるはめになるのでした。遠子自身がそうだったように。

健全な男の子は、ふらちな考えをもっているのが当たり前です。それすら認めない、理想に走りすぎた王子様キャラには、わたしもしたくなかったのでした。