バッテリー

バッテリー 3 (角川文庫)

バッテリー 3 (角川文庫)

 「全国制覇の監督にしてあげますよ、先生」って・・・巧くん、普段は敬語使わないくせに、相手を愚弄する時はちゃんと使うんだね・・・本文中の戸村先生の言葉で言えば「ぶんなぐってやりたいほど、ふてぶてしいやつ」ですね(笑)。
 さらに、巧のもつ既に確立された野球観、みたいなのを感じたのはこの部分。

 内申とか評価とか教育理念とか精神の鍛錬とか、野球とも野球の試合ともなんの関係もないことを持ち込んで、平然としている。そういう人間が嫌いなのだ。(中略)
 グラウンドという所は、ボール一つのためにある。一つのボールをめぐって、投げ、打ち、捕り、走り、野球というスポーツが成立する。それだけのためにあるのだ。それ以外のことはどうでもいい。どうでもいいことを持ち込まれたくないし、持ち込む気もなかった。

 ・・・ここまで言い切れるの巧は、やっぱりかっこいいなーって思っちゃいます。私は人の痛みに敏感な、弟の青波の方が好きだけどっ。青波が弟だったら、可愛がっちゃうだろうな(笑)。
 そんな青波ファンの私といたしましては、「ぼくな、兄ちゃんに勝ちたい」という下克上宣言は印象的だったのでした。