バッテリー?(あさのあつこ)
- 作者: あさのあつこ,佐藤真紀子
- 出版社/メーカー: 教育画劇
- 発売日: 2003/01/01
- メディア: 単行本
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突出した才能を持って生まれたということは、幸福なことでも恵まれたことでもない。才能自体にふりまわされ、追いこまれ、人間として成熟しないまま、潰れていく。そんな危うさを抱え持って、生きていかねばならないということなのだ。(P.138)
巧はまさに、抜きん出た才能を持っていて、その危うさをいちばんわかっているのは、やっぱり巧の祖父・洋三なんだと思います。
「巧、野球に選ばれるんじゃなくてな、野球を選ぶぐらいの者になれや」
(中略)
「おまえ、世の中に、どんなものがあるんか知っとるんか。自分がなにができるんか、なにができないんか、なに一つはっきりわかってないじゃろうが。そこをちゃんと知ったうえで、それでも野球をやろうとする者だけがな、自分で野球を選んだと言えるんじゃ。(後略)」
139ページの、洋三が巧に言ったこの言葉が印象的でした。