つきのふね(森絵都)

つきのふね

つきのふね

人より壊れやすい心に生まれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時にうまれもってるもんなんだよ。(P.179)

 「『スリルを楽しんでいる』なんて大人たちが言うほどのスリルは万引きごときじゃ得られないけど」と、万引きを「遊び」にしていた中学生たちには共感できないけれど。「あたしはちゃんとした高校生になれるのかな。ちゃんとした大人になれるのかな。ちゃんと生きていけるのかな。」というような、あやふやな未来への不安感は、すごく「わかる」感じがしました。