小学生の頃

 小学生の頃。進級してすぐ、学校に親が出さなくちゃいけない書類…学校から家までの地図とか、家庭での教育方針、とか書かなくちゃいけないプリント。その教育方針…の欄だったと思うけれど、いつもうちは「明るく元気な子」「のびのびとした子になってほしい」みたいなことが書いてあって、それを見るたび悲しくなっていたことを、ふと思い出しました。

 両親の理想の子ども像は、外で遊ぶより本を読むのが好きな自分みたいな子とかけ離れたところにあるんだなあ、と思うたび、悲しい気持ちになっていたのでした。小学三年生か四年生の時、些細なことに過敏に反応して泣き出したりするわたしは、担任の先生から「感受性が強い」と通知表で評されたことがあって…10歳前後のその頃は「感受性」という言葉の意味はよくわかっていなかったけれど、「感受性が強い」とは両親が望む「のびのびとした子」とは正反対のところにある性質だ、とはなんとなくわかっていて、願いどおりに育てなくてごめんなさい、と…申し訳ない気持ちになったものでした。