高畑京一郎 『タイム・リープ―あしたはきのう』 メディアワークス

タイム・リープ―あしたはきのう

タイム・リープ―あしたはきのう

 「第1回電撃ゲーム小説大賞で金賞を受賞した高畑京一郎が組み上げる時間パズル」だそうです(amazonの内容紹介より)。「タイム・リープ」によってできてしまった、翔香の中の空白がひとつひとつ埋まっていくようすがおもしろかった。
 読み返すと、これも伏線だったのかーと思える箇所がいくつもあるのです。


 本筋のおもしろさを損なうほどの違和感ではないけれど、ちょっと引っかかったのは、「おまじない」の扱われ方。「幸運を呼ぶ『おまじない』とかってことなら、女子高生は、相当妙な事でも、引き受けてくれるんじゃないか?(P.233)」とか、「おまじない?翔香って、そういうの信じる方だっけ?(P.239)」とか、女子高生の間に「おまじない」がふつーに流通しているかのように描かれているけれど……わたしの記憶にある限り、「おまじない」が女子の間で流行るのは小学生や中学生の頃で、高校生ともなるとやらなくなる、というか…日常生活の中に存在するものではなくなっていたような気がするのですが。