那須正幹 『六年目のクラス会』

ここにいる人間は、みんなあのときの仲間なのだ。

 「ミステリ要素が強い作品」と言えることは、児童書読書日記さんのレビューを見るまで気づいていませんでした……初読は小学六年生の時です。あおぞら文庫版で読んだので、手元にあるそれを撮って載せてみました。
 「あのとき」何が起こったのかが明かされるにつれぞっとしたけれど、「もう二度と見たくない」と遠ざけたくなるようなものではなくて、なんだか惹きつけられてしまう暗さでした。
 子どもが読むものだからといって、ちっとも容赦していないけれど、それは「子ども相手だから」とあなどったり甘く見たり「子ども」という存在に幻想を抱いたりしているところがちっともないということ。そこがすごく好きです。

 前に、乙一さんのとある作品を読んだ時に、この作品を思い出したという話(id:sagara17:20060219)を書いたけれど、改めてとりあげてみました。

The End of the World

The End of the World

 『約束』という題で、この本にも収録されています。とっても短い話です。