ロアルド・ダール 宮下嶺夫訳 『マチルダは小さな大天才』 評論社

マチルダは小さな大天才 (ロアルド・ダールコレクション 16)

マチルダは小さな大天才 (ロアルド・ダールコレクション 16)

  • 作者: ロアルドダール,クェンティンブレイク,Roald Dahl,Quentin Blake,宮下嶺夫
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 2005/10/01
  • メディア: 単行本
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「ミスター・ヘミングウェイは、わたしのわからないことを、たくさん言っています。(中略)それでも、あの人の本はおもしろかったんです。あの人の書き方って、まるでその物語の場所にわたしがいて、そのできごとを、じっさいに見ているような感じがするんです」
「じょうずな作家は、いつもそういう感じをあたえるのよ」と、ミセス・フェルプスは言った。「細かいことがわからなくても、気にしないことね。ゆっくりすわって、そういうことばが、自分のまわりを音楽のように流れていくままにしておくのよ」(P.25)

 マチルダが読書の喜びを知っていく過程にたいへん共感できるところがあるので、本を読むマチルダに父親がする仕打ちは許せなくなります……。
 読んでいて、両親のあんまりな態度に悲しくなるし、校長の言動は本気で怖いし、仕返しに及ぶところにも、楽しむというよりひたすらハラハラし通しだったのです。おもしろかったですが、心臓に悪い話を読んだなあ……とも思います。