しあわせは日々のなか

 寝転がって本を読む。幸せ幸せとっても幸せ。なまけもので動くのを面倒がる性質なんだなあ、とつくづく思う。
 でも、今の寮の部屋だと、ベッドの上でしかごろごろできないのがちょっと残念。物心ついた時から高校卒業するまで、家で本を読むときは畳の上で座り込むか寝そべるか寝転がるかしていたので、そういう習慣が身についているのです。

 実家は、築何十年か(祖母に聞いてもよくわからなかったのです)経つ木造家屋で、台所とか浴室とか以外は全部和室です。わたしは、外からかすかに聞こえてくる、ござを織る機械の音やござがすれあう音(実家はい草農家なので、農作業をしている間はこういう音がしていた)をBGMにごろごろしながら本を読むというたいへん幸福な子ども時代を過ごしたのでした。