よしもとばなな 「満月――キッチン2」

「そうね……私に。」できることがあったら言ってね、と言うのをやめた。ただ、こういうとても明るいあたたかい場所で、向かい合って熱いおいしいお茶を飲んだ、その記憶の光る印象がわずかでも彼を救うといいと願う。
 言葉はいつでもあからさますぎて、そういうかすかな光の大切さをすべて消してしまう。(P.106)

 昨日「ムーンライト・シャドウ」だけ読みたくて引っ張り出したのだけれど、結局「キッチン」も「キッチン2」も読み返してしまった。