読了本

パイロットフィッシュ (文芸シリーズ)
パイロットフィッシュ」(大崎善生
 語り手の山崎の現在と、由希子という恋人がいた大学時代が交互に描かれます。「人は、一度めぐり合った人と二度と別れることはできない。」という言葉から始まる冒頭の1ページがまるごと全部印象的で、すーっと引き込まれてしまいました。ただ、エロ雑誌の編集、とか物語の題材がまったくもって好みじゃなかったけれど・・・というか読む前にそれを知っていたら間違いなく敬遠していたと思う・・・(苦笑)。それだって、いい意味で濃厚じゃないというか・・・全体に、本当に水槽の中を覗き込んでいるような、透明感があるのが不思議。