風にのってきたメアリー・ポピンズ(P.L.トラヴァース)/岩波少年文庫

風にのってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)

風にのってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)

東風の吹く日に、こうもり傘につかまって空からやってきたメアリー・ポピンズ。バンクス家で子どもたちの世話をすることになった彼女は、ちょっと風変わり。子どもたちをふしぎな冒険の世界へと導きます。ユーモアあふれる空想物語。小学4・5年以上。
amazonより引用)

 笑う途中に浮くおじさんや、世界を一瞬で回れる磁石などが登場する連作短編集。わたしがいちばん好きなのはジョンとバーバラの話。
 歯がやっと生えはじめているくらいの赤ん坊のジョンとバーバラは、「おとなのいうことってどれもほんとうじゃない」「風や日の光がなんて言っているかわからないなんて、おとなってばかみたい」と言います(ここでの「言う」はもちろん、ふつうの「言う」とは違うやり方なのでしょう)。大きくなったらわからなくなるのだ、大人になったら忘れてしまうのだと言うメアリー・ポピンズに、「忘れない」と二人は主張するのですが――。
 二人と仲良し(?)のコマドリがいい味出してて印象的でした。