愛がなんだ

 顔が好みだの性格がやさしいだの何かに秀でているだの、もしくはもっとかんたんに気が合うでもいい、プラスの部分を好ましいと思いだれかを好きになったのならば、嫌いになるのなんかかんたんだ。プラスがひとつでもマイナスに転じればいいのだから。そうじゃなく、マイナスであることそのものを、かっこよくないことを、自分勝手で子どもじみていて、かっこよくありたいと切望しそのようにふるまって、神経こまやかなふりをしてて、でも鈍感で無神経さ丸出しである、そういう全部を好きだと思ってしまったら、嫌いになるということなんて、たぶん永遠にない。

 センチメンタルマニアさんの雑記で紹介されていた、角田光代さんの『愛がなんだ』からの引用部分です。

 やばい、この文章、めっちゃツボった…めちゃくちゃこの本読みたい。(わたし、角田光代さんは『あしたはうんと遠くへいこう』『キッドナップ・ツアー』しか読んでいません)