アン・ファイン 灰島かり訳 『チューリップ・タッチ』 評論社

チューリップ・タッチ

チューリップ・タッチ

あれくれいでは、手の出しようがなかった。悲しいことだが、人生ってやつはそういうものなんだ。子どもにとって耐えられない環境だというので救いの手を差しのべるには、あれより、もっとずっとひどい状況でないとダメなんだ。(P.204)

 あー、うー…桜庭一樹さんの『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を思い出しました。少女を取り巻く状況がどんどん悪化していくのを止められない、という点で。趣も、結末も、全然違うけれど。