昨日の読了本

アパラシオン

アパラシオン

 どうしてこんなことを自分はしゃべっているのだろう。話そうとすることと話している内容が微妙にずれているような、あるいはまったく背きあっているような不可解な感情にとらわれながら、それでも浩平は環に話し続けることをやめなかった。
(中略)
 これまでも、誰かに何かを告げようとしたときは、こんなふうに言葉はいつも食い違っていたのだろうか。(P.87-88)