中学校の音楽の授業:箏について間違いを教えないでください

 ニコニコ動画で箏演奏を聴いたのに触発されていろいろ思い出したことを書きます。
 高校時代のこと。箏曲部の活動で、とある中学校に行って、そこで演奏したり中学生に弾き方を教えたりしたことがありました。
 とある女の子が「授業で箏習いました」と言っていて、そうかうちらの時はそういうのなかったなー、いいなーうちももっと早く箏に出逢いたかったなーと思っていたら。……その子は自分で箏に柱(じ)を立てることもやってくれたのですが、どうもおかしい。
 13本の弦にかける柱(これをかける位置で調弦が決まる)はもちろん13個あるのですが、そのうち一つだけちょっと特殊なかたちをしているんですね。それは「巾柱」(きんじ)と言って、「巾」という弦(13本の弦は、箏の前に座ったとき手元から遠い方の弦から一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、斗、為、巾と呼ばれる)専用のものなのです。でも、彼女は一の弦に巾柱をかけていたんですね。で、違うよーこっちにかけるんだよと言ったら、彼女は「音楽の授業で、先生はこっちって言ってたんですけど」ってびっくりしてたんです。


 その日、音楽の先生に確かめることはできなかったんですけど、彼女の言うとおりなら、学校で生徒は(箏の演奏については)重大な間違いを教わったことになっちゃうんですね。その先生が箏を本格的に学んだことが無かったにしても、柱のかけ方という基本中の基本を知らないのは問題じゃないかと思いました。